海外FXの法人化 – 法人口座開設のメリットと比較

海外fx 法人化

「海外FXは法人化すると税率が低くなるの?」」

「法人化するタイミングを知りたい」

「法人化するメリット・デメリットを教えてほしい」

海外FXで1000万円の利益を上げられるようになると「法人化」して法人口座を作ることで税率が低くなり節税対策になります。

ここでは法人化のメリット・デメリットや法人化するタイミング、法人口座をつくるおすすめの海外FX業者について紹介します。

業者 法人口座 必要書類 特典
不可
可能 法人確認書類、法人現住所確認書類、取締役本人性確認書類、取締役現住所確認書類、取締役決定書 専門コンシェルジュ、特別スプレッド
可能 履歴事項全部証明書の写し、法人の現在住所確認書類、代表者・役員の身分証明書、代表者・役員の現在住所確認書類
可能 法人の定款の写し、代表者の本人確認書類
可能 記載なし
可能 法人登録の証明書類、法人が為替取引承諾している証明書、株主名簿、法人の現住所書類、取引を行う個人の本人確認書類、取引を行う個人の現住所書類
可能 事業許可証(登記簿謄本)、法人居住証明書
可能 会社の登記簿謄本、役員全員の運転免許証と保険証またはパスポート、マイナンバーカード
可能 会社の登記簿謄本、代表者の身分証明書、身分証明書と本人が写っている画像
このページで分かること
  • 法人口座を募集している海外FX業者が分かる
  • 法人化のメリットや節税について知ることができる
  • 法人口座の開設方法と必要書類が分かる

 

海外FX 法人化のメリット

海外FXで法人化するメリットは「税金対策(節税)」の目的です。

それ以外は特にありません。

国内FXだとレバレッジが高くなるなどのメリットがありますが、海外FXでは法人口座を作っても特にスペックが変わることがありません。

ただ、一部の海外FX業者は「法人専用コンシェルジュが付く」「特別スプレッドでトレードができる」などメリットを出している業者もいます。

法人化は一言で言うと税金対策ですが、具体的な節税になるものは複数あります。

  • 税率が低くなる
  • 経費で計上できるものが増える
  • 損益通算が可能になる
  • 最長9年の損失繰越ができる
  • 相続税の対策になる
  • 健康保険料が安くなる

法人化の節税メリットについて詳しく解説して行きます。

 

海外FXは法人化すると税率が低くなって節税になる

海外FXは法人化することで税率が低くなります。

具体的には「利益1000万円あたり」から節税になります。

 
個人事業主と法人の税率の違い

個人 法人
国税 所得税:5~45% 法人税:15~23.2%
地方法人税:2~2.4%
地方税 住民税:10% 法人事業税:3.5~7%
法人住民税:1.3~1.6%
合計 15%~55% 21.8%~33.2%

個人の場合は所得税と住民税の2種類しかなく、計算方法が非常にシンプルです。

しかし法人の場合は法人税以外にも複数の税金があるため、計算方法が煩雑になります。

他サイトなどでは法人税しか載っていないことが多いですが、法人税以外もあることを知っておきましょう。

個人は最大55%の税金がかかるのに対して、法人は最大33.2%で済み、金額が大きくなればなるほどメリットがあります。

 
年間利益による税率の比較(個人・法人)

簡単シミュレーション 個人の税率 法人の税率 個人-法人の差額
500万円 1,302,120円 1,116,400円 185,720円
600万円 1,718,120円 1,336,700円 381,420円
700万円 2,134,320円 1,557,100円 577,220円
800万円 2,550,220円 1,777,400円 772,820円
900万円 2,938,120円 2,070,600円 867,520円
1000万円 3,334,120円 2,401,800円 932,320円
1200万円 3,723,420円 2,733,000円 990,420円
1500万円 5,184,220円 3,726,500円 1,457,720円

参考:起業のかんたん税金計算シミュレーション ※給料30万円一律で計算

簡単にシミュレーションしてくれるサイトで税金の計算してみました。

この表を見ると年収が低くても法人税の方がメリットがあるようになっていますが、法人の場合は年間30万円~50万円のコストがかかります。

法人の場合は役員報酬という形で給料をもらいますが、給料にも税金がかかるので700万円~800万円が損益分岐点となります。

1000万円を超えたら法人の方がメリットが出てきます。

 

海外FX 法人化で経費の種類が増える

海外FXは法人化することで、個人の時よりも経費の種類や範囲が増えます。

  • 自動車購入費、ガソリン、車検代
  • 家賃、電気代、光熱費
  • 役員報酬、社員への給料
  • 生命保険料
  • 出張手当など

自動車は個人事業でも按分(仕事とプライベートの割合)で経費計上できますが、法人化することで認められやすくなります。

家賃は個人の場合は作業場の面積(通常15%~20%)ほどしか経費にできませんが、法人化して自宅を事務所にすることで80%ほどが経費にすることができます。

電気代、光熱費、水道代なども家賃と同じ割合の計上が可能になります。

役員報酬も経費にすることができ、家族を社員にするのであれば、家族への給料分も経費にすることができます。

(個人でも家族を専従者給与として渡すことができますが、他の仕事をしていると専従者にならないので経費として認められません)

生命保険料や出張手当などは個人事業主は認められていないので、個人から法人に変わった時に、個人名義から会社名義で保険を切り替える人も多いです。

「個人の時にどれだけ経費にしていたか?」にもよりますが、青色申告と法人を比較してもかなりの経費の範囲が広がります。

 

海外FX 法人化で損益通算と損失繰越が可能になる

個人の場合は、基本的に損益通算と損失繰越はできません。

もし個人でも海外FXが「事業所得」として認められれば、最大3年の損失繰越が可能になり、マイナスの年の分をプラスの年から引くことができます。

しかし、個人事業主が海外FXを事業所得として認められるケースが非常に少ないため、基本的には雑所得となってしまいます。

マイナスの年は税金0円ですが、プラスの年は税金をそのまま払わなくてはいけません。

法人化することで「事業所得」としてみとめられ、9年の損失繰越が可能になります。

マイナスの年があれば、プラスの年の時にマイナスの年の分を引くことができ、税金を安くすることができます。

 

海外FXの法人化 デメリットと注意点

海外FXの法人化はメリットばかりでなくデメリットや注意点もあります。

  • 会社設立費用と維持費(決算書等)がかかる
  • 役員報酬は途中で引き上げることができない
  • 廃業するときにも費用がかかる

会社設立費用と決算書等の維持費

法人化する時にかかる設立費用です。

  • 株式会社:約25万円
  • 合同会社:約10万円

「とにかく安く済ませたい」という場合は合同会社の方が安くなります。

合同会社は登記費用や重任登記費用が抑えられる代わりに「上場できない」「利益配分が社員と均等になる」などのデメリットもあります。

法人の維持費は税理士に依頼する決算報告書や法人税の申告書などで30万円前後かかります。

領収書なども全て一括で依頼をすると50万円は超えてくるでしょう。

 
役員報酬は途中で引き上げることができない

役員報酬は経費として計上することができ節税になりますが、報酬は設定後に変更することができません。

もし期が始まるタイミングで役員報酬50万円と決めたら、その1年はずっと50万円の給料となります。

個人の場合はその点自由で、事業とプライベートの財布が同じなので、いつでも自由に使うことが可能です。

 

海外FXの法人化・法人口座を作るタイミングは?

海外FXで法人化をして法人口座を作るタイミングは「年間利益1000万円」を超えてからがおすすめです。

できれば「毎年安定的に1000万円の利益を出せるようになってから」の方が良いかもしれません。

法人化すると法人住民税は利益がマイナスでも年間7万円の支払いが必要で、税理士費用が年間30万円~50万円かかります。

1回1000万円を上回っても次の年からうまくいかないと法人化するメリットがなくなってしまうので、毎年安定的に利益を出せるようになってから法人化しましょう。

 
副業で法人化する場合

会社勤めのサラリーマンで法人化をしたい人もいると思います。

今の時代は「副業OK」の会社も増えてきましたが、まだまだ「副業禁止」の会社も多いと思います。

会社設立の登記でバレる可能性はゼロではありませんが、「こいつ最近、仕事以外何かやってるな。調べてみよう。」とならない限りは大丈夫です。

あとは社会保険と健康保険は、何もしないと会社にバレてしまうため、年金事務所、健康保険組合に「二以上事業所勤務届」という届出書を出す必要があります。

届出書を出すことで副業分の社会保険と健康保険の費用を按分で会社に届けることが可能です。

 

海外FXの法人口座がある海外FX業者の比較

業者 法人口座 必要書類 特典
不可
可能 法人確認書類、法人現住所確認書類、取締役本人性確認書類、取締役現住所確認書類、取締役決定書 専門コンシェルジュ、特別スプレッド
可能 履歴事項全部証明書の写し、法人の現在住所確認書類、代表者・役員の身分証明書、代表者・役員の現在住所確認書類
可能 法人の定款の写し、代表者の本人確認書類
可能 記載なし
可能 法人登録の証明書類、法人が為替取引承諾している証明書、株主名簿、法人の現住所書類、取引を行う個人の本人確認書類、取引を行う個人の現住所書類
可能 事業許可証(登記簿謄本)、法人居住証明書
可能 会社の登記簿謄本、役員全員の運転免許証と保険証またはパスポート、マイナンバーカード
可能 会社の登記簿謄本、代表者の身分証明書、身分証明書と本人が写っている画像
法人口座におすすめ

Axiory
専門コンシェルジュが付き、取引ボリュームによっては特別スプレッドが付く

Tradeview
提出書類を英訳することなく日本語のまま提出OKで簡単

LAND-FX
提出書類が2つだけなので口座開設が簡単

法人口座におすすめしない業者

XM
法人口座が開設できない

iFOREX
提出書類の難易度が激高

FBS
口座資金が多くなるとレバレッジが下がってしまう

AxioryやTradeviewはNDD方式の業者なので、大口の法人口座は大歓迎しています。

Axioryはいろいろと特典があり、Tradeviewはわざと仕様が上級者むけになっています。

 

海外FXの法人口座開設方法

各海外FX業者の法人口座開設方法は、別ページの口座開設方法で紹介しています。

基本的には、通常の個人の口座開設にプラスで書類が必要になるので、あらかじめ準備しておきましょう。

法人口座開設に必要な書類
  • 登記簿謄本
  • 取締役全員の身分証明書
  • 取締役全員の現住所確認書類

この3点は必ず必要になってきます。

 
Axioryの法人口座開設

必要書類 特典
法人確認書、法人現住所確認書、取締役本人性確認書、取締役現住所確認書、取締役決定書 専門コンシェルジュ、特別スプレッド

Axioryの法人口座は専用フォームがあるので、そこから口座開設をして行きます。

通常の法人必要書類の他に「取締役決定書」という書類も提出する必要がありますが、少しの記入と署名だけなのでiFOREXほど面倒ではありません。

Axioryの法人口座は専門コンシェルジュと取引量によって特別スプレッドがあるのでおすすめです。

Axioryの法人口座開設方法

 
Tradeviewの法人口座開設

必要書類 特典
履歴事項全部証明書の写し、法人の現在住所確認書類、代表者・役員の身分証明書、代表者・役員の現在住所確認書類

どのサイトも法人口座はTradeviewを推薦していますが、法人書類の他に提出する書類がなく、すべて日本語の書類のままでOKです。

法人口座の最低入金額も変わらず、個人口座と全く同じ仕様で取引することができます。

Tradeviewの法人口座開設方法

 
LAND-FXの法人口座開設

必要書類 特典
事業許可証(登記簿謄本)、法人居住証明書

LAND-FXは「法人身分証明書(PLE)と法人居住証明書(POA)」の2つの書類だけで法人口座を開設できるのでとても簡単です。

特にスペック等は変わりませんが、一番簡単に開設できる点がメリットです。

LAND-FXの法人口座開設方法

 
Hotforexの法人口座開設

必要書類 特典
記載なし

Hotforexは法人口座にあまり力を入れていない様子で、提出書類など細かいことは公式サイトに書いてありません。

問い合わせフォームから「法人口座を作りたい旨」を伝えると、専任スペシャリストから連絡が来て、そこから法人口座の開設となります。

法人口座の特典なども特に記載がないので、スペックは個人口座と同じと思われます。

Hotforexの法人口座開設方法

 
iFOREXの法人口座開設

必要書類 特典
法人登録の証明書類、法人が為替取引承諾している証明書、株主名簿、法人の現住所書類、取引を行う個人の本人確認書類、取引を行う個人の現住所書類

iFOREXは法人口座開設書類が多く、英語のできる税理士に依頼した方が良さそうです。

ただ、iFOREXも日本人スタッフがいるので、書類の書き方が分からなければ聞いて教えてもらいましょう。

法人でも特に特典はなく個人口座と同じ仕様となっています。

iFOREXの法人口座開設方法

 
TitanFXの法人口座開設

必要書類 特典
会社の登記簿謄本、役員全員の運転免許証と保険証またはパスポート、マイナンバーカード

TitanFXは法人口座について特に記載がなく、口座開設画面で「法人口座」の選択欄があるだけです。

法人口座はあまり積極的でない雰囲気がありますね。

税金対策以外は法人化するメリットは特になさそうです。

TitanFXの法人口座開設方法

 
FBSの法人口座開設

必要書類 特典
法人の定款の写し、代表者の本人確認書類

FBSも法人口座にするメリットは節税以外は特にありませんが、口座残高が増えてくるとレバレッジ制限があるため、あまり法人向きではないと思います。

スプレッドの狭いECN口座は最大レバレッジが500倍で、レバレッジ制限を受けるのが15万ドル(1500万円ほど)になるので、それより少ない資金の場合は良いと思います。

スタンダード口座でレバレッジ3000倍でまわしたい場合は2000ドル(20万円ほど)となります。

FBSの法人口座開設方法

 

海外FXの法人化ではタックスヘイブンは難しい

税金が完全に無い国・もしくは著しく少ない国を「タックスヘイブン」と呼びますが、日本では「タックスヘイブン対策税制」によって禁止されています。

タックスヘイブンの国に法人を設立し、条件を満たせば認められます。

タックスヘイブン対策税制の適用対象となる判定基準

  • 保有する外国法人の株式の割合が10%以上・出資合計額の割合が10%以上
  • 50%以上が属する国の株式・出資合計額となった場合

となっていて、ハードルが非常に高いです。

タックスヘイブンの国に法人を設立するには、まず現地に行ってスポンサーになってくれる人を探さなくては行けません。

日本国内を探せば「タックスヘイブン専門業者」などいるかもしれません。

 

海外FXの法人化まとめ

海外FXの法人化のメリット・デメリットや法人化のタイミング、おすすめの法人口座について紹介して来ました。

海外FXでは法人化にするメリットは国内FXと比べて少ないですが、税金対策にはなるため、1000万円以上の利益を安定的に出しているトレーダーにはおすすめです。

損失繰越も9年までできるので、負ける年が続かなければ問題ありません。

ぜひ海外FXで買っているトレーダーの方は法人化を目指しましょう。

 
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