「海外FXって日本に税金を納める必要があるの?」
「税率や国内FXとの違いについて知りたい」
こういった人たちのために、海外FXの税金について紹介して行きます。
海外FXの税金は国内FXの計算方法が違うため、注意が必要です。
海外FXだったら国内の税金は関係ないのでは?
と思いがちですが、海外FXで出た利益も国内で税金を納める必要があります。
ここでは海外FXの税金について紹介して行きます。
- 海外FXの税金の種類や特徴が分かる
- 海外FXの税率が分かる
海外FXの税金とは?
海外FXの税金は、国内FXと税金の種類が変わり、かなりの違いがあります。
「海外だから税金を納めなくても良い」ということはなく、日本の居住者であれば、世界中どこで所得が発生しても日本国に税金を納めなくてはいけません。
また、海外FXも国内FXも「雑所得」となりますが、海外FXは所得が増えるほど税率も増える「累進課税」の扱いになります。
ここからは海外FXの税金の種類と国内FXの違いについて詳しく解説して行きます。
海外FXと国内FXの税金を比較
海外FX | 国内FX | |
---|---|---|
税率の区分 | 雑所得(累進課税) | 雑所得(分離課税) |
課税方法 | 総合課税 | 申告分離課税 |
税率 | 15%~55% | 20.315% |
損失繰越 | できない | 3年間できる |
海外FXの税金は国内FXの税金と同じ「雑所得」の税区分となりますが、海外FXは「累進課税」と言われる「利益が多くなるほど税率が高くなる」仕組みです。
国内FXは「申告分離課税」と言われる「利益の大きさに関係なく税率は一律」となっています。
海外FXは年間の所得金額が低ければ有利ですが、利益が出れば出るほど税金としては不利になってきます。
また、海外FXは損失繰越ができないので、赤字の年があっても税金を減らすことができません。
参照:国税庁 No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係
海外FXの税金 税区分は雑所得
海外FXの税金は国内FXの税金とは違う扱いになります。
- 国内FX
申告分離課税(どれだけ利益が出ても税率は一律20.315%) - 海外FX
累進課税[雑所得](利益に応じて15%~55%に変動する)
海外FXは稼げば稼ぐほど、税金が高くなる仕組みです。
所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 15% | 0円 |
195万円超~330万円以下 | 20% | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 30% | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 33% | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 43% | 1,536,000円 |
1,800万円超~4,000万円以下 | 50% | 2,796,000円 |
4,000万円超~ | 55% | 4,796,000円 |
参照:国税庁 所得税の税率、東京都主税局 個人住民税
所得税(5%~45%)・住民税(10%)の合算 別途、所得金額に対して復興特別所得税(2.1%)がかかります
海外FXの税金は利益が高くなればなるほど税率が上がります。
所得税と住民税を合わせると最大55%となり、利益の半分以上が税金となります。
節税方法は別ページで紹介しますが、利益が出ている海外FXトレーダーは法人化して節税をやっています。
海外FXの税金は総合課税
海外FXは「総合課税」で計算され、他の所得と一緒に税金の計算をすることが出来ます。
それに対して国内FXは「分離課税」で計算され、他の所得とは別々に計算されます。
総合課税は、他の副業などで赤字が出ていれば、合算できるので、税金を少なくすることも可能です。
総合課税と分離課税の違い
参照:経理COMPASS 総合課税|分離課税との違いは?
海外FXの総合課税は、他の雑所得になる副業(転売やオークションなど)は損益を合算して計算するので、利益が大きければ税金も高くなります。
逆に他の副業で赤字が出ていれば、税金は安く済むこともあります。
国内FXの分離課税は他の雑所得とは別々に考えます。
海外FXの税金 税率
海外FXは「所得金額」によって税率が変わります。
サラリーマンの人や、他からの収入がある人は「その収入に上乗せして」税金の計算をする必要があります。
所得金額と税率
所得金額 | 海外FX | 国内FX |
---|---|---|
195万円以下 | 15% | 20% |
195万円~330万円 | 20%(控除額97,500円) | 20% |
330万円~695万円 | 30%(控除額427,500円) | 20% |
695万円~900万円 | 33%(控除額636,000円) | 20% |
900万円~1800万円 | 43%(控除額1,536,000円) | 20% |
1800万円~4000万円 | 50%(控除額2,796,000円) | 20% |
4000万円~ | 55%(控除額4,796,000円) | 20% |
所得税(5%~45%)・住民税(10%)の合算、別途、所得金額に対して復興特別所得税(2.1%)がかかります
基本的に330万円以下であれば税率が20%となり、国内FXの20.315%よりも安くなります。
しかし330万円を超えると国内FXよりも税率が高くなります。
海外FXの税金は国内FXと損益通算できない
海外FXは国内FXとの損益通算はできません。
海外FXで利益が出て、国内FXで損失が出ていたとしても、海外FXの利益は相殺されず確定申告が必要になります。
海外FXと国内FXは税制面では相容れない関係なので、注意しましょう。
他の雑所得とは損益通算が可能
国内FXとの損益通算はできませんが、海外FXや仮想通貨などの取引も損益通算ができます。
海外FX200万円 - 仮想通貨100万円 = 100万円 となります。
海外FXとの収益と損益通算できる収入には、次のようなものがあります。
- 他社の海外FX口座
- 原稿料・講演料・印税
- アフィリエイトの収益
- ネットオークションの売り上げ
ただし、海外FXは前年度の損失を繰り越して計上できないので気をつけてください。
海外FXの税金計算方法
海外FXの税金計算方法を、以前の私の確定申告書と源泉徴収票を元に計算して行きたいと思います。
ざっとの計算方法は以下の通りです。
②所得金額 × 所得税率 – 控除額 = 所得税
③所得金額 × 10% = 住民税
これだけみても分かる人は少ないと思いますので、数年前の私の確定申告書を元に紹介します。
・確定申告書等作成コーナー 雑所得の計算方法
・国税庁 収入金額等、所得金額を計算する
私の確定申告書と源泉徴収票
確定申告書
恥ずかしながらですが、これが私の数年前の確定申告書類です。
源泉徴収票は確定申告の際に、税務署に提出しているので、これを元に源泉徴収票を作成しました。
源泉徴収票
この確定申告書と源泉徴収票を元に、別ページで計算方法を紹介して行きます。
・申告書A(第一表・第二表)
・申告書B(第一表・第二表)
・その他の記載例はコチラ
税金自動計算ツール
簡単にシミュレーションしたい人のために、海外FX専用の税金自動計算ツールを作りました。
サラリーマンの収入と海外FXの利益を入力するだけで、簡単に自動で計算してくれます。
制度もかなり良いので、ぜひシミュレーションしたい人は使ってみてください。
海外FXの税金計算ツール(シミュレーション)
海外FX サラリーマンの税金
給与所得のサラリーマンは、年間利益20万円から確定申告が必要になります。
年間20万円までは特に確定申告が必要なく「少額だから税金納めなくても良いよ」という金額となります。
経費を引いて年間20万円未満の場合は確定申告不要となります。
確定申告をすれば会社にばれずに海外FXができる
サラリーマンの人でも確定申告をすれば、会社にばれることなく海外FXをすることができます。
副業禁止の会社で働く人は、海外FXは大丈夫なのか不安だと思いますが、確定申告で「自分で納付」にチェックを入れることで、所得税、住民税の請求が自宅に届きます。
確定申告書第二表の右下にあります。
サラリーマンの人で、海外FXの税金について知りたい人はコチラの記事で詳しく解説しています。
海外FX サラリーマンの税金と確定申告のやり方
参照:確定申告をするとなぜ副業の収入額を会社に知られてしまうのか?
海外FXの税金対策・節税
海外FXは利益がたくさん出ると、国内FXよりもかなり高い税率となります。
利益を出した場合は、しっかりと税金対策・節税をおこなって行きましょう。
主な税金対策としては以下の方法があります。
- ボーナス自体は税金の対象にならない
- 海外FXで経費にできるものを活用する
- ほかの副業で損益を合算する
- ふるさと納税を活用する
- 積立系の税金対策
- 法人化して法人口座を作る
これらを別ページで詳しく紹介します。
税金対策は、私も税理士にアドバイスをもらいながら、最大限の税金対策を行っているので、グレーな方法も含めて詳しく紹介します。
海外FXの節税 税金対策と節税方法
海外FXの確定申告
確定申告が初めての人は、どうやって確定申告をすれば良いのか?どんな書類が必要なのか?分からない人も多いと思います。
確定申告の期間や必要書類、実際の確定申告のやり方を画像付きで紹介して行きます。
説明が長くなるので別ページで解説しています。
初めての人はぜひ参考にしてください。
海外FXの確定申告 利益の金額と書き方
海外FX 確定申告の期間
確定申告の時期 | いつの分を申告するか |
---|---|
2月16日~3月15日 | 前年の1月1日~12月31日 |
参照:確定申告の期間はいつ?期限はいつまで?遅れた場合はどうなる?
確定申告のタイミングは基本的に2月16日~3月15日頃になります。
1月1日~12月31日までの利益を、翌年の2月16日~3月15日に申告をします。
その後、5~6月前後に所得税、住民税などの納付通知が届く流れとなります。
海外FX 確定申告は利益確定
海外FXの確定申告になる対象は「利益確定」したポジションに対してかかります。
その他、「出金できるボーナス」や「キャッシュバックサイトで得た利益」は確定申告の対象となります。
出金できないボーナスは「実際のお金ではない」ため確定申告の対象にはなりません。
- 決済したポジションに対して税金がかかる
- ボーナスに税金はかからない
- 決済していないスワップポイントには税金がかからない
- 出金できるボーナスに対しては税金がかかる
- キャッシュバックサイトで得た利益は税金がかかる
海外FX 確定申告の金額
海外FX 確定申告はサラリーマン(会社員)20万円から
参照:国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
サラリーマンなどの会社員は、雑所得の利益20万円から納税が必要になります。
売上ではなく「利益」となるため、経費分を引いて20万円に満たない場合は確定申告が不要となります。
海外FXの確定申告 個人事業主は38万円から
個人事業主など「非給与所得者」は利益38万円から確定申告が必要になります。
利益38万円に満たない場合は確定申告が不要です。
海外FXの税金まとめ
海外FXの税金は国内FXと比べて高く、不利になりがちです。
利益がたくさん出そうな年は、早めに税金対策を取って経費を計上するようにしましょう。
別ページでは私がサラリーマンの時の源泉徴収を元に、税金の計算方法を紹介して行きます。
税金の計算方法が分からない人は、ぜひ参考にしてください。
海外FXの税金計算方法
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